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2012年3月30日 (金)

■成毛眞を“超解釈”

本当は、もうジョブズ本は読む気はなかった。だけど、私がこのブログで以前に書いたことと、あまりに似た主張が展開されているので、「間違って同じと思われても嫌だな」と思い、仕方なく(笑)本書「成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈」を購入した次第である。

本書の前半を読んだ印象は、「自分のかつてのボスでありアイドルだったビル・ゲイツが、少し前までは天才と持ち上げられながら、ジョブズのおかげでかすんでしまい、たまに引き立て役として登場するだけ……というのが悔しくてたまらないので、一回『ジョブズが何ぼのもんじゃい!』と言ってみたかったのだろう」というもの。
なぜかというと、本書の前半にはジョブズを否定するような文章がいくつも出てくるのだが、どれも根拠が薄弱で理屈としても成り立っていないからである。だから、「ジョブズ本を読んで、ジョブズになろうとするな」というのは正しいと思うのだが、「ジョブズはこどもだから」等々、油断していると吹き出したくなるような理由でジョブズを攻撃したり、理由なくマイクロソフトを持ち上げる文章がならんでいて、ブログの感想文なら許されても、有料の書籍でこれはまずくないか?と心配してしまう。 著者よりも、出版社や編集者の判断が問われるところだろう。後半は、ジョブズとは無関係なので、ここでは評価外とさせていただく。
まず、027ページには、「業界の客観的通念」としてこんな説が紹介されている。

まずいちばん偉いのはソフトウェアのOSを作っている製作者、つまり技術者なりカンパニーだ。その次がOSを作るための言語 ……中略…… そして、ようやくその次に(より正確には「最後に」である:近藤注)ハードウェアメーカーが出てくる。

あらあら。マイクロソフトの人ってこんなこと考えているんですね(笑)。
また、「WindowsはMacのパクり、の嘘」という章では、

「WindowsはMacのパクり」と言われているが、もとを正せばMacもパクりである。もととなったのは、Altoというマシンであり、このマシンのGUIを模倣してマッキントッシュができ、さらにそれを真似してWindowsができた。(同書071ページを要約)

本来、ビル・ゲイツの説は、「MacもWindowsもAltoを真似た」というものだったはず。これはまずいのではないか(笑)? マイクロソフトの公式見解ですか(笑)? 
もう一つ例を挙げよう。116ページには、こんな文章がのっている。

ジョブズだけでなくビル・ゲイツも間違いなく文理の交差点にいる人である。法律に詳しく、愛読書は『ジ・エコノミスト』。……中略…… 歴史上の人物としてはナポレオンが好きだという。

「理」のほうは一応実績から認めるとしても、「文」のほうはこれでOKですか(笑)?

このように、ツッコミどころは無限にありそうなのだが、これだけ紹介すればどんな主張が書かれているものか、だいたい想像していただけるだろうから、もうやめておこう。
私が考えるこの本の真の価値は、「こんな人がマイクロソフトの上層部にいた(または、いられた)という事実を知ることができる」というものだ。良い会社ですよね? もう一つの読み方は、「文章を書くというのは、怖い作業である」ということ。数行読んだだけで、著者の能力が明らかになってしまう。見出しは良いんですよ、本当に面白そう。

「成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈」 成毛眞:著(KKベストセラーズ)

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