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2012年12月22日 (土)

■村上春樹のカタルーニャ国際賞受賞スピーチ

いつも季節感のない生活をしてるのだが、さすがに年末になると少しは部屋を片付けようかという気が起きるのは不思議なものだ。今日、部屋の隅に二重になった紙袋を見つけた。何か重いものを運んだ名残なのだろうかと、拾い上げて始末することにした。見ると、中に新聞が入っている。それは、昨年の夏の東京新聞の一部で、甲子園で繰り広げられる高校野球の……、と思ったら「高円宮賜杯・全日本学童軟式野球大会」の記事だった。野球に興味が無い……というかあれはスポーツなのかどうか疑っている私としては、この大会のことは全然知らなかった。

さらにもう一枚めくると、“核への「ノー」叫び続けるべきだった”という大見出しが目に飛び込んできた。村上春樹氏がスペインのカタルーニャ国際賞を受賞した時のスピーチ全文だった。このスピーチの原稿は「非現実的な夢想家として」と題され、2011年6月9日授賞式で配布されたものだという。つまり、3月11日の大震災の3ヶ月後だ。このスピーチは、当時新聞などを通じて報道されたものなので、目にした方も多いと思われる。毎日新聞のサイトには全文が掲載されていたらしいが、現在はない。だが、全文を貼っているサイトやスピー自体の動画は残っているし、だいぶ“拡散”しているので、まだ読んでない方は読んでみることをおすすめする。だが、私は当時これを読んだ記憶がなかった。

このスピーチに対していろいろ不満を述べる人もいるようだが、これは村上氏本人の授賞式のスピーチであり、かつ場所も日本国内ではない。聴衆も(とりあえず)日本人ではない、……といったことを考慮しなくてはならないと思う。だから、村上氏はまず日本人の国民性について解説している。反原発の機運が日本国内で意外に盛り上がらないことへの対外的な言い訳とも考えられる。事故の原因についても原発推進についても、掘り下げてはいないけれどキチンと述べられている。原発が「効率がよい」という理由で優先的に処遇されてきたというくだりは、異論もあるだろうが、これはヨーロッパ各国に向けた表現と考えれば腑に落ちるだろう。もちろん、作家としてどうすべきかということにも言及している。

音楽家はこの件に関して反応が早かったけど、文学者も作品に反映しなくてはならないだろう。私も陶芸家として(笑)、「これでお茶を飲んだら原発は要らない気がした」というような湯のみ茶碗を造りたいと思う。
原発の問題はエネルギー問題ではない。推進派は、電気が足りないとか、足りなかったらどうするとかいう問題に猥小化するのだが、足りないとしても(実際は不足しないけど)要らないものは要らない、と言わねばならない。そういうと「それは無責任だ」と言われるのだが、どっちが無責任だかよく考えてみよう。電気を得るために国民の生命と財産を危険にさらしていいものかどうか。
「先進的な技術だから捨ててしまうのは惜しい」とか言ってる元都知事には、もう少し勉強をして欲しい。それほどバカじゃないんだから、ちょっと勉強すればもっとマシなコメントができると思う。手始めに、村上春樹氏のこのスピーチ全文、三回繰り返して読んでみては?

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