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2015年2月17日 (火)

■スタンフォード大学卒業祝賀スピーチの解釈

先日、2回だけだったが大学の講義でスティーブ・ジョブズを扱った。1回めは生涯を俯瞰して何をした人かを説明し、2回めは有名なスタンフォード大学での卒業スピーチについて解説をした。授業はほぼ順調に進んだのだけれど、ジョブズの話をすると話題がたくさんあって、つい時間が長くなってしまう。それで授業では少し言い残したことができてしまった。それを、ここで書いておこうと思う。

これはジョブズが2005年6月12日に行なった有名なスピーチであり、ジョブズを紹介する書籍ならたいてい登場するエピソードの一つだし、紹介するWebサイトも多数ある。歴史に残る名スピーチと言われているものだ。スタンフォード大学とジョブズは、彼の行動範囲にある優秀な大学という以上に浅からぬ因縁で結ばれていたから、ちょっと気合を入れてスピーチに臨んだのではないかと勝手に想像している。高木利弘さんのお話では、もともと依頼していたスピーチライターが何故か原稿をよこさなかったので、直前になって自分で草稿を起こしたらしい。自分の経験から重要なエッセンスを取り出して、後輩に伝えようとしたのである。

このスピーチは、3つの話で構成されている。3つの話とは、「点をつなぐことについて」「愛と敗北について」「死について」である。詳しい内容は、関連書籍かどこかのWebサイトでご覧頂きたい。

ジョブズは最初に、たったこれだけだといっている。けれど、ひとつ、ふたつ、みっつ、あ、ホントに3つだぁ~。では困る(笑)。個々の話は特別難しいことはないだろう。2つめの話にちょっと技術的な説明が必要かもしれない、と思うくらいだ。全体的に仏教思想が色濃く反映しているのだが、この3つの話をどう解釈するか……。

私の考えでは、「点と点がつながる」のは、そこに「愛があるから」であり、そこに「愛がある」のは、「やがて死が訪れるから」なのである。説明なしにダイレクトにつなげてみたけれど、たぶんこれだけでご理解いただけるのではないだろうか。つまり、3つの話はお互いに関連している、と私は解釈しているのだ。

前段の「点と点がつながるのは、そこに愛があるから」というのは授業でも話したのだけど、後段の「愛があるのは、やがて死が訪れるから」というのは話さなかった。物理的に時間が不足したこともあるが、学生たちには年齢的にちょっと気の毒な気もしたし、理解できるかどうか疑問もあったからだ。

私は、この話はジョブズが「成功の秘訣を説いたもの」と考えている。ジョブズとしても、わざわざ出かけていって何の役にもたたない話をするつもりはなかっただろう。大学を卒業して社会に出て行く者に、自分は何を語るべきか考えたはずだ。もちろん、学生たちが聞きたかったのも「どうやったら成功できるか」だったはずだ。

そして、……いちど地に落ちたカリスマではあったが……ジョブズにはこれを語るだけの資格があった。2005年といえば、ジョブズがアップルに本格的に復帰して8年。iPodを発売しiTunes Music Storeをオープンして2年後だ。売上は急上昇している。そして、この2年後にはiPhoneを発売し、Apple ComputerからAppleへ社名を変えるのである。ジョブズには、もうじきアップルが世界一の会社になるとわかっていたのではないか。そしてその会社は、自分が設立し育てた会社なのである。彼が成功の秘訣を説いたとしても、誰からも指弾を受ける心配はなかったのである。

Applejobs35years



※2005年がどんな時期だったか、図に示してみた

※図のカーブは売上額でも時価総額の値でもない。たんなるイメージ、占いで言う「運気」のカーブみたいなものと考えてください

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